天気 | 体調 | 気分 | 出費 |
---|---|---|---|
晴天 | 普通 | 寂しいぞ | \17820 |
出発地 | 終着地 | 走行距離 | 走行距離(合計) |
九種湖畔キャンプ場 | 森林公園キャンプ場 | 29km | 13587km |
7時前に目が覚める。
カーテンの隙間から車内に朝陽が差し込む。
あきらかに今日が晴天なのは分かる。
のそのそと外に出てみると、そこには抜けるような青空が広がっていた。
礼文最後の日。いいじゃん。
朝ダラダラしていたら、ついにのりぞーさんも出発するみたいだ。
のりぞーさんはこのあと昼前の便で利尻にわたるらしい。
多分この後僕とはコースが違うだろうし、2度の軌跡が重なって会うことはないとは思う。
だけどここでほんと出会えてよかった。
自分がただ身内に心配かけさせないために書き始めた日記。
まさか、この日記がもとで誰かに出会えるとは夢にも思わなかった。
いつもは嫌だ嫌だ思っていた日記でも、そのことを考えたら少しだけこの日記を頑張って続けて書いてよかったな。と思えた。
くれぐれも事故だけには気をつけて!!
のりぞーさん、ありがとー!!
僕は今日一応稚内で車中泊しようと思っているから、そんな急がず夕方の便で礼文を出ることに。
それまでにずっと管理人さんとおばーちゃんと談笑。
最後にとまたコーヒーを頂く。
うーん。この緩やかに流れる時間がたまんないんだよな。
もともとダラダラとすることが好きな性格が、この島にいると余計のんびりしてしまう。
やっぱ島っていいねぇ。
利尻もそうだけど、この独特の雰囲気がたまらんぜよ。
お昼をなんか作るのがめんどくさくなり、丸竹スーパーに弁当を買いに行く。
今まで何度となく通い詰めたこの店でついに初めて弁当を買うことが出来た。
しかもラストひとつ。危ねぇー。
他のこの船泊の商店街の店を一件、一件ぶらーっと見て回る。
もうなかなか見れない景色。ひとつ、ひとつを目に焼き付けながら。
昼飯を食べた後、近くの海岸に歩いていく。
するといるいる。アザラシがたくさん。
だけどアザラシって意外に憶病な動物だ。
そこそこ遠い沖の岩場で休んでいるのに、僕が波打ち際まで来ると、みんなビビって海の中に入ってしまう。
そこまでビビるほどの距離でもないのに。
それでもなかなか度胸ある奴がいたので、そいつをパシャリと撮らせてもらう。
だけど今日は本当にいい天気だ。
キャンプ場に戻り少しパソコンをやる。
時間は2時過ぎ。そろそろ行こうか。
最後に管理人さんに挨拶をしようと管理人室に行ったら今までこの管理室に張られていた礼文島の綺麗な写真の絵ハガキをと昔のウキのオシャレなガラス玉を頂いた。
おぉー、やった!!ありがとうございます。
普通に嬉しいです。
いいお土産も頂いた。
色んな思い出も出来た。
これ以上いるとまた島を出るタイミングを失ってしまいそうになる。
今日はこの島を出る日。
その気持ちが変わらぬうちに。
よし。そろそろ行こうか。
このキャンプ場は入口に「九種湖半キャンプ場」と書いてある。
今まで約2週間いてあまり気にも止めていなかったのだが、裏にはこんな言葉が。
ありがとう!!
フェリターミナルにつき乗車手続きをしようとしたら、3時30からじゃないと開かないらしい。
どーしよう。それまで日記でも書いて時間をつぶそうかな・・・。
あれ・・・でもなんか忘れているような・・・。
・・・。
危ねぇー。役所行き忘れるとこだった!!
これで普通に行き忘れていたら超バカみてー。
なんのために月曜までいたんだってかんじだよ。
危ねー危ねー!!
そして無事役所に行き、欲しかったものを手に入れる。
よし、よし。これでオッケーだ。
せっかくなので礼文町役場をのっけます。
そーいえば最近全然県庁見てないなぁ・・・。
最後に見たのは、あの「コロ姉」と見た長野県庁が最後か!?
そうとう前な気がする・・・。
そろそろ「県プロ」の僕としては見たくなってきたぞ・・・。
そのあとフェリー乗り場に戻り無事4時半のチケットを入手し、いつも顔を合わせているうちに仲良くなったフェリーターミナルの売店のお姉さんのとこに。
出港時間まで談笑。
ってかなぜかここのお姉さんたちは写真を一切撮らせてくれない。
「別に何処にも載せないし、ただ自分の旅の思い出ですから。」といっても全然だめ。
今はちゃんと許可さえとえれば結構芸能人も写真撮らせてくれるぞ!!
でも全然だめだった。
なんて徹底的。
最後にジンポーフーズのおっちゃんに会いたかったので、連絡をしてもらっていたら会いに行こうとしたが、「来なくていい!!」と言われてしまい諦めた。
だけど実はそれくらいがよかったのかもしれない。
やはり別れはサラッとだ。
そんなこんなでこれ以上ここにいると、寂しい気持ちがこみ上げるので、さっさとフェリーに乗ってしまうことに。
お姉さん方にお別れをいい、逃げるように車を移動してフェリーに乗り込む。
桃岩荘の連中もいなかったし、別に誰が見送ってくれるわけではないが、ただ甲板にいて利尻、礼文を見ているだけで寂しい気持ちになるのでパソコンをやろうと2等船室に。
そして窓辺の電源のあるとこをキープしてパソコンを開く。
これからはある意味旅再開で今までみたくいつでも電源がある生活ではない。
だからこうやって出来る時に少しづつやっていかないと。
そんなことを考えながら、たまたま何気なく窓の外を見たら・・・。
えっ・・・!?もしかして・・・!?
あの売店のお姉さんと、そのお姉さんの子がいるではないか。
慌ててパソコンをしまって甲板にでると、なんか叫んでいる。
フェリーのエンジン音でよく聞こえない。
けど耳を澄ませてよーく聞いてみると・・・。
「取りに来て!!」
なんだ!?と思い急いでフェリーの入口に行くと・・・。
「上から投げて!!」
と、これを手渡された。
これってもしかして・・・。
すぐに甲板に戻りテープを端を自分の手に括りつけて下で待っているお姉さんと、お姉さんの子に投げる。
これってよくフェリーのお別れのときによく見るあの光景のテープだ・・・。
今まで何度もフェリーに乗ってきたが、もちろん一度も見たことない。
だけどこの礼文という島は本当に特殊で「お別れ」というものに対しては皆ものすごく一生懸命で感動的だ。
この礼文では自分のとはまったく関係ない人の別れでもすごく感動的で胸いっぱいになる。
だけどまさか自分が誰かに見送られることになるなんて思ってもいなかった。
いつものお姉さんも間に合って来てくれて、3人でテープを持ってくれた。
僕は今までテレビとかで見てこのテープの意味はなんなんだ!?って思っていた。
だけど初めてこのテープを今日持ってようやく意味がわかった。
フェリーの上と地上で10メートルくらい離れているが、このテープをお互いが持つと10メートル離れていてもつながっているのが分かる。
手をつなぐほど、しっかりとは分からないが、けどもしっかり相手の力、感触、動きまでテープ越しによくわかる。
初めてテープを使ってわかった。
最後の瞬間まで手をつないでいたいんだ。
そしてついに出港の時間が。
フェリーとは前も言ったが以外に早い乗り物だ。
あっという間にたるみがあったテープがピンと張っていく。
そしてドンドン巻いてあったテープが伸びていく。
このテープの巻きが終わったとき、つまりそのときがみんなとの別れの時。
なんだろ・・・。
ドンドン延びて行くテープを見て強く思った。
しかしその瞬間ついにテープが終わり、お姉さん方の手から離された。
お姉さん方とテープを通してだがつながれていた手が離れた気がした。
その後お姉さんがたは手を振りながら叫んでいる!!
フェリーのエンジン音で何を言っているかよく聞き取れない。
けど僕も手を振った!!
見えなくなるまで手を振って叫んだ!!
稚内までのフェリーの中でiPodを取り出し曲を聴いた。
iPodからはたまたまタミオのベストが流れた。
そのベストの1曲目は「さすらい」だった。
その曲がものすごく胸に響いた。
一生忘れられない曲になった。