DIARY

122日目・北海道（利尻島）　〜昆布バイト24日目〜

今さら言わなくても分かると思うが島は特殊だ。

生活、言葉、人、文化・・・同じ日本だけどなんていうかちょっと違う。

あんま詳しくは書けないけど、本州の栃木出身の僕が「えっ、それいいの？」って思うことがよくある。

けどそれは島では普通。

島では常識。

日本自体島国で他の国とはやはり違う文化が多いが、その島国の中の離島。来た当初、ある意味一つの国みたいに考えたほうがいいと言われたこともあった。

よく最近みんなの口から出る言葉が「道警」だ。

多分北海道警察の略なんだろう。

ここで働き始めたとき「利尻であんま警察とかみないけど、しっかり取締とかしているの？」と聞いたことある。

そしたら取り締まるのはほとんど北海道本土からわざわざやってきた「道警」なんだって。

でもみんな口をそろえてこう言う。

「大丈夫、きたらすぐ分かるから。」

どうゆうこと？と思ったら、理由はいたって簡単で、道警はフェリーに乗ってやってくる。

だからそれが一瞬で島全体に広がるんだって。

ものすごい速さで広まるらしい。

その速さ「音」以上「光」未満らしい。なんだそりゃ。

けど、ほんとかい！？と思っていたら、まじでほんとだった。

僕の耳にも今道警がこの島にいることが何度も入ってきた。

終いには今日仕事中に、この近くに覆面がいるぞってことだけを伝えにきたじーさんもいた。

２台家の前の道で捕まったんだって。

なんていうか、島の人は連係動作がかなり素早いぞ。

あとこの島の人はほとんど車を覚えている。

よく知らない車が通ると、みんな「見かけない車だな。」とか言っている。

こないだたまたま速そうなスポーツカーみたいのを見かけて同じく「見かけない車だなー」とか言ってたら、今日になったらその車がどこでどーやって捕まったとかまでみんな知っていた。

やっぱり島狭すぎだろ。

そりゃ僕がきたのも一瞬で広まるよ。

そーいえばこのバイト決まったとき、僕はすぐに車の後に張っていた「日本一周中」というのを外した。

なんかそれをずっと張ったまま停めておくのが恥ずかしかったのだ。日本一周中ってのをあんまみんなに広めないでいた。

だけどなぜか気付けばみんな知っている・・・。

なんだこの島は。

知らないうちに全てを見透かされている・・・。裸で歩いている気分だぞ。

そんな外からきた僕は今日も、その情報源のじーちゃん、ばーちゃんと仲良くなっていく・・・。